おこれ


飲んでも飲んでも渇いていく

砂漠みたいな街あるいている

あいつがもっと輝くんなら

私はきっと

言いかけてやめる


アスファルトの下の

土の下の

砂利と岩の下の

流れる水の下の

どうしようもない熱に会いたい


早ければ早いほどいいと

聞かされながらこんな時間

こんな歳 こんな形 こんな私

四捨五入したらたぶん捨てられる方


ぼくらはつかいすてられる

ぼくらがつかいすてられる

ぼくらがつかいすててゆくまえに

そのまえに


おこれ おこれ 花のように

おこれ おこれ 空のように

消さない 消せない 流れてる

死ねない 死なない 動いてる

変わらない変わる音がここにある


あしたは今日よりも今日と

仲良くなっていたいのです

大丈夫、絶対くるしいから

絶対ずっとは続かないから


ぼくらはふるいわけられる

ぼくらがふるいわけられる

ぼくらがふるいわけてゆくときに

そのときに


おこれ おこれ 銅鑼のように

おこれ おこれ 河のように

いつわったとしても

いつわれなかったもの

まちがったとしても

まちがえなかったこと


自分の種しかないくせに

どの花になるつもりだった

願うはろうそくの中を通る一本の線