でんげん切ったあとでもう
しばらく会いたくない人たちの
リストをながめているベッド
まだやれるかな もう無理かな
おなかすいたもごぞんじない
さっきはたしかに人でしたけど
いまは自分かもわかりません
いまは自分をやってますけど
これが人かもあやしいです
わかります?わかります?
わかりません もう寝るじかん
わかります?わかります?
わかりません 何画面見てんの
当たり前が当たり前と
都合よく入替わる街で
自分で自分に水をやる
ときに何と難しいこと
シュールになりすぎたい夜に
ふわっと慌てている朝に
どっか抜け出したい昼に
誰かに会いたくなる5時に
おなかすいたもごぞんじないや
飛んで飛んで逃げちゃいそうな
言葉つかまえてうたにして
あくびひとつ たまごふたつ
れいぞうこ いつの間にかの
こびりついた悪い癖
誰かがどうとか疲れちゃうよな
ずっと生きてきただけなのさ
誰かになんとか言わなきゃだって
会いにいく前に過ぎちゃいそうさ
ほらまた ほらまた
なにを へらへら 笑ってんの
ざらざらと床の埃
目にも付かない汚れです
ぐらぐらと洗濯機の
音に揺られて舞うのです
厭にぼんやりした春に
湯気に揺れている夏に
隙間吸い込まれる秋に
ちいさく鞭をうつ冬に
おなかすいたもごぞんじないや
れいぞうこ あれはあのときの
こびりついた悪い癖
引き出して水につけて
少しずつこすってゆく
食べ物あっても食べたくない日に
見えないおなかずっと鳴っている
こころからなんでもない日常を
なんでもない日常をこころから
かぜの中できみを見るとき
わたしは思い出すでしょう
きりきりとむねは踊り
笑いながら泣くのです
じりじりと日々は続き
転びながら立つのです
おなかすいたもごぞんじないけど
食べてみて初めて腹が鳴るような
そんないのちでぜんぜんです