くじらの涙


くじらの涙は気づかれないの

あたりいちめん塩水だもの

損してるかな おかまいなく

ゆうゆうと泳いでゆくのです


くじらは涙を声に乗せるの

バイオリンの髭を震わせながら

嵐の夜も 雪の朝も

雷鳴って 空が燃えても


くじらは潜る くじらは唄う

ゆうゆうと ゆうゆうと

ゆうゆうと泳いでゆくのです