ひいらぎ


くぬぎの丸いドングリ踏んで
ぼくはちょっと近くまで
見はる誰かのスキを見て
鏡を背にして家を出た

ひいらぎの葉っぱを噛んでちぎった
ソーダ味の空 黒い時代 
二日酔いの目ヤニ
心から笑えるならどこだって行くよ

ひとりでもふたりでもみんなでも
なんでもいい なんでもいい
そこに君がいるかどうかだ
そこに君がいるかどうかだ

涙でも笑いでも怒りでも
なんでもいい なんでもいい
そこに君がいるかどうかだ
そこに君がいるかどうかだ

ハリネズミの針が痛いからって
切るわけにはいかなかった
弱い自分をぶちのめそうと
鏡にヒビばかり入れた

ひいらぎの樹を見失なってしまった
コーヒーでむせた ゆがむ額 
人間に過剰な期待
心から歌えるなら立ってられるのに

曇りでも日差しでも嵐でも
なんでもいい なんでもいい
どれくらい君かどうかだ
どれくらい君かどうかだ

涙でも笑いでも怒りでも
なんでもいい なんでもいい
どれくらい君かどうかだ
どれくらい君だったかどうかだ

五線譜にムクドリが並ぶ
絶滅寸前のミノ虫は
屋根の下で冬を越えてた
生きて 生きて 生きて 
生きて 生きて 生きて
君でいて

強くても弱くても
偏差値がなんでもいい
どうでもいい
ここに君がいるかどうかだ
ここに君がいるかどうかだ

たとえば何ひとつ形にはできなくても
なんでもいい
ここに君がいるかどうかだ
ここに君がいる
そこから

ひいらぎの葉っぱが風に踊った