ロールの前のロック


やるって決めてもやれないことが

あるのが歯がゆくて

責めても違うし

つまりはプラン練り直すしかなくて

やらないのかやれないのか

そもそもやりたいのかが問題です

出した手途中で引っ込めるクセが

未だに直りません


積み重ねた罪滅ぼしのために

つまりは僕がしてきたこと

生きながらにして死んでたい

みたいな気持ちはどこへゆくのか

逃げたいというか逃げてしまいます

言い訳も正当化も遅いんだって

じゃがりこかじってトクホ飲み干して

それでもお口はさびしくて

駄々っ子のままで永久機関を

擦り切れるまで往復です


ロールの前のロックはいつも

夜明け前の暗さに似てる

ロールの前のロックはいつも

剥がれ落ちる前のかさぶたのよう


君の過去など大して知らない

大したことだと思ってないだろ

一度決めたこといじくり回して

ダメにするのはさびしいからか

ニュースと商品 呪いの言葉を

今日も撒き散らしているけど

未完成なかわいさはいつだって

やさしさを思い出させる

まあでも余裕がなくっちゃ

それすら気づかず

けっ飛ばしちゃいそうなんだ


あー関係なんてキリがないものを

誰が作ったんだなんて知らないけれど

この用事は間違いなく僕のチョイスだ

もう消えたいっていうか忘れちゃいます

良い悪いを軽々越えて

唐沢寿明58だって 

あれ今年 俺いくつだったっけ


ロールの前のロックはいつも

羽化する前の蛹に似てる

ロールの前のロックはいつも

指先でピンと弾かれる前のドミノ


君は今までどこで何をしてきた

ずっとずっと花火に火薬を詰めてきた

打ち上げるまでも祭りだったら

シケたままじゃあ終われねえや

一花 咲かせてみたいんだ 君と


苔むす岩を手のひらで転がそうとする

星ばっかの国がいて

つまりはどうするのかって

やっぱりわたしの問題 あんたの問題

嘘偽りで笑って泣いて 

テレビドラマの言う通り

赤の他人のくちびるは 

果たして君を救ったのか

赤の他人じゃないって言って

赤の他人じゃないって言って

赤の他人じゃないって言って

教わらなくてもわかってたことの

価値にも気づかずに


さっき言ったこと全部

嘘に変えるスイッチなんてないけれど

本気が回れば回るほど

ひとりでに分けられてっちゃうんだろう

積み重ねた罪の正体

思い違い 失敗 気の迷い

どうにもならないの集合体

自分にとって何がいいかすら

わからないのはごめんだ


ロールの前のロックはいつも

溢れ出しそうなコップみたいだね

ロールの前のロックはいつも

出番前の楽屋の無限時間


ロールの前のロックは今も 君の中で

ロールの前のロックは今も 君の前で

ロールの前のロックは今も 君の

ブレーキ踏んだ足が離れる直前のホイール


君のハンドルは誰が握る

僕のハンドルは誰が握る

君のハンドルは

君のハンドルは

君のハンドルは


離すな。