東京の火


ロックンロールが この街に

なくて本当によかったな

ロックンロールが あったら僕は

とても暮らしちゃいらんないもんな


ロックンロールが この街に

なくて本当によかったな

ロックンロールが あったら僕は

とても気が気じゃいらんないもんな


本当にあきらめたのなら

こんな気持ちにはならないはずだ

21 電池切れたスマートフォンは無情

浮かない顔なんてもう飽きている


どこまで走ってみたってねぇ

自分は自分に過ぎないけど

22 東京タワー どこまでも鮮やかに

まっすぐ空へ伸びて見えた


ずっとずっと 輝くだけを

輝くだけに すがっている


街の光じゃ見えないの

指と画面じゃさわれないの

君のわけありの温もりも

あれだけつまづいた創も

東京に預けたままで

靴のヒモを結びなおす


ごめんなさいもありがとうも

言わなきゃいけない時に言えない

23 急行で 最低の顔を見て

その顔のまま帰る人生を思った


車掌も運転手も見つからない機関車で

真っ黒な石炭を何度もかき回す

傷ついたごっこする気なんてない

ただずっと持て余してるだけなんだって


「明日こそ」なんて何回目だよ だけど

「明日こそ」って言うしかないんだろ

どうせとか言うのやめるよ もう

だって それも窮屈だろ


ずっとずっと のたうち回る

水晶のように透きとおってゆく


ビルの隙間に干からびるか

降りたシャッターの襞の中

君の思い出のその価値も

あれだけぶつかった痕も

東京に食われたままで

かけ違えたボタン 元にもどす


追い込んだのか 追い込まれたか

どっちでもいい 次をよこせ

燃えない心をゴミと呼ぶなら

その火をもどせ 君に会いたい


ロックンロールと この街で

会えて本当によかったな

ああ 君と この街で

会えて本当によかったな


ずっとずっと 輝くだけを

輝くだけに すがっている

ずっとずっと のたうち回る

水晶抱いて 君も生きている


全部 全部 全部 全部

この街に預けたままだ

返してもらいにいかなくちゃ

つながれてたって意味ない

つなげなきゃ 意味ないんだ


絶対生まれかわってやるから

今すぐ燃やしてくれないか

24時は0 どこまでも鮮やかに

僕の 君の 東京の火